Veeam Backup & ReplicationのV11が2月下旬にリリースされました。このメジャーアップデートに伴い、Veeam Backup Enterprise Managerもバージョンアップされています。
Veeam Backup Enterprise Managerは、IISを利用したVeeam用のWebインターフェイスです。分散された複数のVeeamサーバを統合管理でき、バックアップジョブの管理、レポート、セルフサービスなどの機能を提供します。
今回のバージョンアップでEnterprise Managerのコンソールが多言語サポートされ、日本語表示ができるようになりました。Veeam Server Managerはまだ日本語対応していないことから、なるべく日本語で使いたいという方にとって、Veeam Backup Enterprise Managerが日本語化できるようになったことは嬉しいバージョンアップとなるのではないでしょうか。
そこで今回は日本語化されたコンソール画面の画像も交えて、どのようなコンソールとなっているのか一部抜粋とはなりますが確認していきましょう。
日本語化を確認する前に、まずはEnterprise Managerコンソールを日本語化しましょう。
デフォルトの英語表示から日本語へ変更する方法は、ログインページのドロップダウンリストから日本語選択をするだけです。(現在、7言語の選択が可能)
コンテンツはブラウザの言語で表示されるため、Webサイトがブラウザ言語をサポートしていない場合でのインターフェイスは英語で表示されます。
またVeeam Backup Enterprise Managerの言語表示は3つのファイルで構成されているため、それらを翻訳しツールを使用してPO、JSONファイルを作成することにより言語の追加をすることもできます。
ログインすると、ホームビューとしてダッシュボードが表示され統計情報や実行状況をグラフ化した画面構成となっています。また、その他の操作として下表の項目に対応しています。
ダッシュボード | バックアップインフラのステータスや統計情報 |
レポート | Enterprise Managerで管理しているVeeam Backup Serverレポート |
ジョブ | Veeam Backup Serverのジョブ管理 |
ファイル管理 | ファイル共有バックアップの検索、復元、削除 |
ポリシー | CDPポリシーに関する情報やステータスの表示と編集 |
マシン | マシンの保護管理や復元、フェイルオーバー操作など |
ファイル | ゲストOSファイル検索とファイル復元 |
アイテム | アイテムレベルリカバリの実行 |
リクエスト | Visual LABの実行承認などの管理 |
Veeam Server Managerで構成されたジョブ操作としてEnterprise Managerでは、実行状況、開始/停止、有効化/無効化、設定編集、アクティブフルバックアップの実行、ジョブのクローン作製、ジョブやバックアップファイルの削除といった操作を行うことが出来ます。ジョブ設定の編集ではVMwareおよびHyper-Vのバックアップジョブとレプリケーションジョブの設定変更が可能です。
-Enterprise Managerを使用したジョブ操作- | |
① | ジョブの開始、停止、リトライ |
② | ジョブの有効化、無効化 |
③ | バックアップ/レプリケーションジョブ設定の編集 (Enterpriseエディション以上) |
④ | アクティブフルバックアップの実行 |
⑤ | ジョブのクローンを作成(Enterpriseエディション以上) |
⑥ | ジョブの削除 |
なお、今のところEnterprise ManagerではVeeam Agentバックアップジョブ、ファイル共有バックアップジョブ、バックアップジョブコピーが編集することができません。
<参考画像:ジョブ ー ジョブ操作メニュー>
<参考画像:ジョブ ー ステータス一覧>
(複数バックアップサーバのジョブ状況も一括表示されるため把握しやすくなっています)
<参考画像:ジョブ ー ステータスフィルタリング>
今回触れることはできなかったですが、Enterprise Managerでは他にも様々な機能が利用することが出来ます。機能について記載しておくので、ぜひ参考にしてください。
・ユーザーへのバックアップ権限を割り当てたセルフバックアップポータル管理
・ファイル共有バックアップの操作
・vSphere Web Clientプラグインのインストールや削除
・V11の新機能であるCDP機能についてもEnterprise Manager操作が可能
→CDPポリシーの表示、無効化、有効化、編集、削除
・Veeam Agent対応では、ファイルとアプリケーションアイテムの参照とリストアをサポート(参照とリストアを利用するにはEnterprise以上のエディションが必要)
*現時点でMac、Oracle Solaris、IBMAIX版のVeeam Agentでは、いまのところファイルリストアを利用することができません。
ここまで見てきたように、ブラウザUIでバックアップ状況を一括して確認することや、ジョブ管理、リストアの実行もEnterprise Managerから操作ができるようになっています。例えば、拠点ごとにバックアップサーバが分散配置されているような環境の統合的な管理を行うツールとしても、日本語化コンソールとなった現在のVeeam Backup Enterprise Managerは利用したくなるものになったのではないでしょうか。
別途ライセンスの購入も必要なくバンドルされている製品なのでぜひご活用ください。
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