Azure Backupに限らず、バックアップを行うにはいつ、何を取得し、どのように戻すか等の計画が必要になります。
Micorosoftの公式マニュアルにもバックアップを実行する前の計画について記載がありますが、私がバックアップを実行する際に注意すべきだと思った点を記載します。

バックアップタイミング

Azure VMをバックアップする場合、バックアップのタイミングは日次もしくは週次での設定が行えます。毎日1度以上の頻度でバックアップが必要な場合は別の方法かもしくは組み合わせてバックアップを行う必要があります。同時実行台数やバックアップ容量次第ではバックアップ時間が長時間に渡るため、適切なタイミングで取得する必要があります。
週次では毎週1度だけではなく平日のみなどの設定も可能です。

バックアップ保存期間(容量)

Azure Backupは容量で課金されるため、バックアップで保持する容量が少なければ課金も少なくなります。
サーバ内の容量を減らすというのはもとより保持期限についても考える必要があります。
バックアップを保存する期間はデフォルトである程度幅をもたせた設定(ポリシーの作成では日次で180日!)となっています。長期間取得しておいたほうが安心ではありますが、バックアップ容量によりかかる費用が変わってくるため、どこまでのデータをリストアする可能性があるか考慮した上で、日数を増減させます。
保持期限は日次だけでなく週次、月次、年次で設定できるので直近3日と1ヶ月前のバックアップを保持するというような柔軟な設定を行うことが可能です。

バックアップ時の整合性について

整合性の取り方はOSによって異なっています。Azure VMのバックアップでは取得時の整合性の状態は3種類あり、Azure Portal上で確認することが可能です。Windowsは余り意識する必要はありませんが、Linuxは明示的に整合性を取る必要があります。

整合性 説明
アプリケーション整合性 Windowsの場合、通常この整合性が取られます。WindowsはVSS完全バックアップを行っているため、VSSと連携しているアプリケーションでは意識せずに整合性を取ったバックアップが取得可能です。また、Linuxの場合は必要があればバックアップ前後にスクリプトを実行し、整合性を担保することが可能です。
Azure Linux VM のアプリケーション整合性バックアップ (プレビュー)
ファイル整合性 Linuxの場合、通常この整合性が取られます。DB等アプリケーションの整合性を取る場合は上記のスクリプトなどで対策を取り、アプリケーション整合性を取る必要があります。
クラッシュ整合性 通常OSが停止している場合にバックアップを取得するとこの整合性となります。そのため、OSが停止中の場合は特に問題ない整合性となります。

バックアップ先ロケーション

バックアップを取得する先となるロケーションを選択する必要があります。日本のロケーションは東日本と西日本があります。Azure VMをバックアップする場合はAzure VMと同じロケーションでないとバックアップが行なえないため、同じロケーションに作成する必要があります。

ストレージレプリケーション方式

バックアップを取得する先となるストレージのデータの耐障害性のレベルは2つから設定可能です。デフォルトは耐障害性の高いgeo冗長となっており、例えば東日本にRSコンテナーが存在する場合は西日本に自動でレプリケーションされる構成となっています。大規模地震などで拠点まるごとに影響があった場合にも別拠点にデータがレプリケートされているため、一度に全てのデータが失われるという事はありません。

もう一つの設定として、ローカル冗長があります。ローカル冗長はgeo冗長とは異なり、他の拠点にレプリケーションを行いません。その代わり値段がgeo冗長の半分となっています。ローカル冗長でも拠点内で3重にデータをコピーしているため、これで十分と考えられる構成も少なくないと思われます。
例えば物理サーバのバックアップデータを取得する際はサーバと別拠点のRSコンテナーにデータを取得することでローカル冗長でも拠点障害を防ぐことが出来ます。値段が倍と言っても極端に高い訳でもないのでメリット、デメリットを判断して設定を行ってください。


※バックアップを設定すると変更できなくなってしまいます。

Azure Storage のレプリケーション
Azure Storage料金

可用性

リストアはRecovery Serviceから書き戻しがかかるため、ある程度の時間が必要になります。(展開直後のWindowsサーバで30分程度)
このリストア時間が許容できない場合はバックアップだけではなく可用性セットなど他のサービスも組み合わせて使用してください。
Azure VMの可用性の考え方についてはMicrosoftのこのブログ記事に詳しい記載があります。

終わりに

普段からバックアップを行っているのであれば当然知っている、意識している点だったかもしれません。
オンプレの場合はかっちり設計を固めて設定を行うことのほうが多いと思いますが、容量無制限、9999世代(回復ポイント)のバックアップが取得可能で、ある程度柔軟に変更が行えるため、実際の動きを試してやりながら学んで変更を行うというのが良い方法だと思われます。
この記事が役に立てば幸いです。