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オンプレミスからスムーズにクラウドへ移行するには?

オンプレミスからスムーズにクラウドへ移行するには?

「クラウド・ファースト」と言われるようになって久しく、先にクラウドで運用できないかを検討した上で、オンプレミスとクラウドを適材適所で活用するユーザーが増えてきました。クラウドには様々なメリットがありますが、既存のオンプレミスのシステムをクラウドへ移行する際には、様々な課題があることも事実です。

よく取り沙汰される主要な課題と、それを解決するためのソリューションについてお話しします。


クラウドを活用するメリット

クラウドを活用するメリットとしてよく言われることは、運用・保守のコスト削減と省力化です。使いたいときに使った量だけ料金を支払い、不要になったリソースはいつでも手放せるパブリッククラウドは、TCO削減のための有効な選択肢です。資産管理・構成管理といった運用管理者にとって大きな手間になる作業の負荷も軽減してくれます。

コスト面で言えば、最近では安価なストレージに注目が集まっています。IoT、ビッグデータ、AIといった新技術を活用するために必要なデータ量が年々増大しているからです。すぐに使うかどうかに関わらず、膨大なデータを蓄積しておく必要があるのです。Amazon S3などの安価なストレージがなければ、ストレージにいくら投資をしたらいいのか分からないでしょう。

またオンプレミスとクラウドといったハイブリッド環境や、複数のクラウドを利用するマルチクラウド環境も一般的になってきました。このような環境では、例えばキャンペーンのようなピーク時に、柔軟にワークロードを移動することが可能です。最近では、ワークロードの移動のためにクラウドを利用するユーザーも増えています。

また開発環境やDR(ディザスタリカバリ)環境として、クラウドを利用するユーザーも増えています。例えば分析モデルやAIの学習モデルを安価なクラウド環境で実施し、効果が出そうなアプリケーションのみをオンプレミスの本番環境にデプロイするといった使い方も一般的になってきました。また普段はクラウドにレプリカを作成しておき、非常時に本番環境に切り替えるユーザーもいます。

このようにクラウドは、最新技術への対応や、いざというときのバックアップとして欠かせない存在になりつつあります。


クラウド移行に関する課題

このように様々なメリットのあるクラウドですが、しかし思い描いていたような効果が得られていないユーザーが多いのも事実です。

例えば、結果として運用コストが下がらなかったというユーザーも意外と多いのです。オンプレミスとクラウド、あるいはマルチクラウドを管理することになって、運用管理が複雑になり、人件費が増えてしまったようなケースです。運用管理が複雑になると、人的エラーによる障害も発生しやすくなり、その対応のためのコストや、業務上の機会損失コストなども発生してしまいます。

クラウドへのシステム移行やDR目的の利用では、ネットワークをまたがることによるRPO(Recovery Point Objective)、RTO(Recovery Time Objective)の低下をどうやって防ぐかも大きな課題です。RPOとはどこまで最新のデータを回復できるかという指標であり、レプリケーションの速さによって決まります。RTOはレプリカを使用してシステムを復旧させるまでにかかる時間で、移行時のダウンタイムに関わってきます。どちらもできるだけ短い時間に抑える必要があります。

さらにワークロードの移動でも、システムのバックアップや移行でも、仮想化環境におけるハイパーバイザーやストレージの違いでシステムが稼働しなければ意味がありません。これらの違いをどうやって吸収するのか検討する必要があります。


■Zerto Virtual Replicationでの解決

Zerto Virtual Replication(以下ZVR)は、これらの課題を全て解決します。

ZVRは従来のレプリケーションツールが、物理サーバーを前提にしていたのと違い、仮想環境を前提に設計されたレプリケーションツールです。そのため、従来のレプリケーションツールのように仮想マシンの設定変更を必要とせず、仮想環境で高速なレプリケーションを実現します。

具体的には、VRA(Virtual Replication Appliance)と呼ばれるLinux仮想アプライアンスのデータムーバーが、vCenter等の仮想マシン統合管理プラットフォームと連携することで、仮想マシンの設定変更なしに複製が行われる仕組みになっています(図)。

スナップショットによらないジャーナルベースでエージェントも必要としない方式につき、ネットワークをまたがっても高いRPOとRTOを実現します。

最新バージョン6.5では設計を見直して、AzureとAWSに送信する場合のRTOを向上しました。またAWSからの受信についてはRPOもRTOもどちらも向上しています。

VRAが仮想環境の統合管理プラットフォームと直接連携することで、ハイパーバイザーが違っても問題ありませんし、基本的にはVMDK(仮想マシンファイルシステム)を読み書きしますので、物理的なストレージの違いも吸収されます。

さらに管理ツールは、どの環境でも同じ洗練されたインターフェースを実現しています。また複数サイトをスマートフォンの1画面で管理できる「Zertoモバイル」もSaaSとして提供しています。製品としても「バックアップ、レプリケーション、オーケストレーション、移行」を1つにまとめた「ITレジリエンス プラットフォーム」として提供することで、簡素化を図っています。運用管理者の負荷軽減にもしっかりと配慮しているのです。


■導入例

実際の導入事例として、全社共通ファイルサーバーをAzureに移行した事例を見てみましょう。

OSはWindows Server 2008 SP2、仮想環境はVMware ESXi 4.0、レプリケーション対象のストレージは論理ユニットが13個ある5.8TBのもので、1日に10~15GBの更新があります。そのためダウンタイムを可能な限り抑える必要がありました。

移行準備として初期同期、差分同期、そして2回のリハーサルを実施しました。初期同期は100Mbpsのベストエフォート回線を帯域制限なしで実施し、6日間で完了しました。差分同期はRPO12秒程度で実施できました。差分同期中に移行元のストレージに容量不足が発生し論理ユニットを追加しましたが、自動的に同期状態が継続されました。1回目のリハーサルはファイルサーバー単体での動作確認を目的に実施、フェイルオーバーのオペレーションが30分以内に完了し、無事成功しました。2回目のリハーサルは本番移行作業を想定したもので、これも60分程度で正常完了しました。なおリハーサルは本番運用を停止せずに実施されました。

本番移行ではまず、ユーザーアクセスを禁止するために移行元のファイルサーバーを停止し、ZVR側からフェイルオーバーを実行しました。10分程度でAzure側のサーバーが起動し、リモートデスクトップで接続可能な状態となりました。この段階でネットワーク設定を変更し、VMWare Toolsを無効化して不要サービスを停止しました。続けてActive DirectoryのDFS(分散ファイルシステム)関連の設定を変更しました。ここでファイルサーバーとしての動作確認をしたあと、ZVR側からフェイルオーバーをコミットして、本番移行作業を完了しました。

本番移行のためのダウンタイムは約60分で、クライアント企業の要求を十分に満たす範囲に収まりました。


★製品紹介

☆「ゼルトバーチャルレプリケーション」

   https://www.dtc.co.jp/zerto

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