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【解説】Veeam Data Platform (Veeam Backup & Replication) のライセンスとエディションをわかりやすく解説(2023年11月更新)

Veeam Software社は、バックアップ製品や管理ツール、それらを組み合わせたセット製品など様々な製品を提供しています。

主力製品であるデータ保護ソフトウェア「Veeam Backup & Replication」を中心としたバックアップソフトウェア群は、これまで世界中で親しまれてきました。そして、2023年にVeeam製品の製品体系が刷新され、現在では「Veeam Data Platform」という新たな枠組みの中の4つのエディションとして、Veeam Software社のメイン製品が整理されました。

※変更後の製品体系や製品の名称、搭載コンポーネントなどについては「製品体系ページ」にまとめていますので、詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.dtc.co.jp/veeam_products


ですが、「Veeam Data Platform」には2つの支払い方法と、2つのライセンスの種類、そして先ほど書いたように4つのエディションがあり、ライセンスの違いが分かりにくく、やや複雑になっています。

この記事では、Veeam Software社の各ライセンスの違いと、「Veeam Data Platform」のエディションの簡単な概要について解説します。

目次[非表示]

  1. 「Veeam Data Platform」には2つの支払い方法・2つのライセンス種類・4つのエディション
  2. 支払い方法の違い : 選択できるライセンスの種類・エディションが異なる
    1. ①サブスクリプションタイプ(期間)  [おすすめ]
    2. ②パーペチュアルタイプ(永久)
    3. タイプが違っても機能は同じ!
  3. ライセンス種類の違い:バックアップできる対象とライセンス計算方法が異なる
    1. ①ユニバーサルライセンス
    2. ②ソケットライセンス
    3. おすすめは「サブスクリプションタイプ」の「ユニバーサルライセンス」!
  4. エディションの違い: 使える機能が異なる
  5. ライセンス選択フローチャート


「Veeam Data Platform」には2つの支払い方法・2つのライセンス種類・4つのエディション

「Veeam Data Platform」は、「 支払い方法 」、「 ライセンスの種類 」、「 エディション 」の大きな3つの分類で理解することができます。
            
2つの支払い方法
   サブスクリプションタイプ(期間)
   パーペチュアルタイプ(永久)

2つのライセンス種類
   ユニバーサルライセンス
   ソケットライセンス

4つのエディション
   Veeam Data Platform Foundation (旧称:Veeam Backup & Replication)
   Veeam Data Platform Essentials (旧称:Veeam Backup Essentials) (セット製品)
   Veeam Data Platform Advanced (旧称:Veeam Availability Suite) (セット製品)
   Veeam Data Platform Premium (セット製品)

   ※上記4つのエディション以外にも、M365やKubernetesなどのバックアップを行えるオプション製品もあります
                

これらの分類を1つの表にまとめると、以下のようになります。

「Veeam Data Platform」 では、サブスクリプションライセンスである「サブスクリプションタイプ」か、永久ライセンスである「パーペチュアルタイプ」の2種類の支払い方法が選べます。

そして、支払い方法の違いとは別に、バックアップできる対象が異なる「ユニバーサルライセンス」と「ソケットライセンス」の2種類にライセンスが別れています。


サブスクリプションタイプには「ユニバーサルライセンス」と「ソケットライセンス」のどちらもありますが、パーペチュアルタイプでは「ユニバーサルライセンス」のみとなります。パーペチュアルタイプの「ソケットライセンス」はありません。

また、「Veeam Data Platform」 の4つのエディションのうち、「Veeam Data Platform Premium」のみ、パーペチュアルタイプでは提供されていません。


それではそれぞれの分類について、1つずつ見ていきましょう。



支払い方法の違い : 選択できるライセンスの種類・エディションが異なる

「Veeam Data Platform」の支払い方法には「パーペチュアルタイプ(永久)」と「サブスクリプションタイプ(期間)」の2種類があります。そして、有効期限と支払い方法の違いだけではなく、選択できるライセンスの種類や選択できるエディションが異なります。


①サブスクリプションタイプ(期間)  [おすすめ]

サブスクリプションタイプは、ライセンスと保守一体のライセンスを必要年数で購入するライセンスです。

  • 選択できるライセンスの種類:「ユニバーサルライセンス」「ソケットライセンス」の2種類
  • 選択できるエディション:「Veeam Data Platform Foundation」 「Veeam Data Platform Essentials」 「Veeam Data Platform Advanced」 「Veeam Data Platform Premium」 の4つ
  • メーカー保守:プロダクションサポート(24/365)
  • 最大5年分まで一括で購入可能

一般的に、ライセンスは5年間で比較した場合にはパーペチュアルライセンスの方が安価になることが多いですが、Veeamでは、5年間で比較してもサブスクリプションタイプのライセンスの方が安くなることが特徴です。



②パーペチュアルタイプ(永久)

パーペチュアルライセンスは永久ライセンスです。別途保守購入が必要です(ライセンスに初年度保守込み)。

  • 選択できるライセンスの種類:「ユニバーサルライセンス」のみ。「ソケットライセンス」は選択できない
  • 選択できるエディション:「Veeam Data Platform Foundation」 「Veeam Data Platform Essentials」 「Veeam Data Platform Advanced」の3つ。 「Veeam Data Platform Premium」 は選択できない
  • メーカー保守:プロダクションサポート(24/365)
  • 次年度以降用の追加保守は最大4年分まで一括で購入可能
  • オプション製品はサブスクリプションタイプでのみ提供 (Veeam ONEのみパーペチュアルでも提供あり)

パーペチュアルタイプは、サブスクリプションタイプに比べて選択肢が少なく、また、支払い方法以外の条件(ライセンスの種類・エディション)を揃える場合、機能が同じでもパーペチュアルを選択する方が割高となります。そのため、基本的にはパーペチュアルではなくサブスクリプションを選択することをおすすめします(詳しくは後述 → [ おすすめは「サブスクリプションタイプ」の「ユニバーサルライセンス!」] )。


物理環境やAHV、クラウド上のインスタンスをバックアップしたい場合や、将来的にクラウド環境にインスタンスを建てたい場合などはこちらをおすすめいたします。


タイプが違っても機能は同じ!

支払い方法が異なっても、ライセンスの種類 と エディション が同じであれば使える機能に違いはありません。

例えば、下記の2つは利用できる機能は同じです。

サブスクリプションタイプ ユニバーサルライセンス Veeam Data Platform Foundation
パーペチュアルタイプ ユニバーサルライセンス Veeam Data Platform Foundation




ライセンス種類の違い:バックアップできる対象とライセンス計算方法が異なる

「Veeam Data Platform」には、支払い方法の分類とは別に、ライセンスが2種類あります。
「ユニバーサルライセンス」と「ソケットライセンス」です。

この2つは、バックアップできる対象と、ライセンスの計算方法が異なります。バックアップしたい環境に合わせてライセンスを選択しましょう。



①ユニバーサルライセンス

  • バックアップ対象:物理・仮想・クラウド、どれでもバックアップ対象。AHV環境もバックアップ可能。
  • 1ライセンスで10インスタンス(※)バックアップ可能
     ※1インスタンス = 物理サーバ1台 or 仮想マシン1台 or クラウドインスタンス1台 or NAS容量500GB

仮想環境だけでなくクラウド上のインスタンスや、データベースやNASなどの物理環境などのバックアップも可能なライセンスです。

ユニバーサルライセンスではバックアップする対象の数(インスタンス数)でライセンス数を計算します。

例えばバックアップしたい対象が、オンプレミスに仮想マシン10台、物理サーバが5台あり、クラウドにインスタンスが13台ある場合のインスタンス数は28となります。
1ライセンスで10インスタンスまでバックアップできるため、インスタンス数が28の場合は3ライセンス必要です。

また、10インスタンスの内訳はオンプレミスの物理環境・仮想環境・クラウドインスタンスを自由に割り当てることができます。
はじめ物理環境にあったシステムをオンプレミスの仮想環境に移動し、クラウドに移動する、と言った場合でも新規ライセンスは必要なく、同じライセンスをご利用いただくことが可能です。


②ソケットライセンス

  • 対象:オンプレミスの仮想環境(vSphereとHyper-V)のみ。物理環境やクラウド環境、Nutanix AHV環境はバックアップできない
  • 必要ライセンス数:バックアップ対象仮想マシンのホストサーバーに搭載されている物理CPU数


ホストサーバーの物理CPU数で課金となるため、同じホストサーバー上であれば仮想マシンが増加しても追加料金は発生しません。

同じホストサーバーに沢山仮想マシンを建てたり、将来仮想マシンを増やしたりするなどの予定があれば、こちらのソケットライセンスが適しています。


おすすめは「サブスクリプションタイプ」の「ユニバーサルライセンス」!

さて、パーペチュアル (永続)とサブスクリプション(期間)の2つの支払い方法、そしてユニバーサルライセンスとソケットライセンスの2つのライセンス種類があることを見てきました。

それでは結局おすすめはどのタイプなのでしょうか?


基本的に、「サブスクリプションタイプ」の「ユニバーサルライセンス」がおすすめです!


まず、サブスクリプションタイプは金額面でメリットがあります。

Veeamのライセンスでは、 5年間で比較した場合でも、サブスクリプションの方が安くなります。多くのシステムは5年間のサイクルで更改するため、5年間で比較してより安価であるサブスクリプションを選択することをおすすめします。
また、パーペチュアルタイプとサブスクリプションタイプは、 どちらも機能は一緒ですのでご安心ください。

さらに、サブスクリプションタイプでないと選択できない製品も多いです。

例えばVeeam Oneを除くほとんどのオプション製品や、DR機能が使用できる「Veeam Data Platform Premium」 は、サブスクリプションタイプでのみのご提供となります。


ユニバーサルライセンスとソケットライセンスにおいては、基本的にはユニバーサルライセンスがお勧めです。

物理サーバー・NAS・仮想マシン・クラウドインスタンスなど、多くの対象をバックアップ可能なうえ、将来的にバックアップ対象が環境を移行した場合でもライセンスの買い直しが不要で、そのままライセンスを使用し続けることができます。

また、同一環境内でユニバーサルライセンスを買い足した場合、既存ライセンスと新規に購入したライセンスの統合が可能になります。
ライセンスの統合により、購入時期が異なるライセンス同士でも、既存ライセンスで余っていたインスタンス分を合算して使うことが可能になります。


ただ、ソケットライセンスにもメリットはあります。

ソケットライセンスはHyper-VもしくはvSphere環境の仮想マシンしかデータ保護できませんが、ライセンスの計算方法が「ホストサーバーの物理CPU数」であるため、仮想マシンの数に影響されずにライセンスを計算できます。
たとえば、仮想マシンの数が膨大過ぎて把握しきれない場合や、仮想マシンの数が頻繁に増減する場合などでは、ソケットライセンスが適している場合があります。


保護したい環境に合わせ適切なライセンスをご案内させていただきますので、お気軽に弊社までご相談ください。



エディションの違い: 使える機能が異なる

最後に、エディションの違いについて解説します。

「Veeam Data Platform」 には、「Veeam Data Platform Foundation」 「Veeam Data Platform Essentials」 「Veeam Data Platform Advanced」 「Veeam Data Platform Premium」の4つのエディションが存在します。

基本となるエディション「Veeam Data Platform Foundation」では、Veeamの強力なバックアップ機能を使用することができます。

そして上位エディションとして、監視・分析ツールの「Veeam ONE」がバンドルされた「Veeam Data Platform Advanced」、さらに「Veeam ONE」とDR自動化ツール「Veeam Recovery Orchestrator」の両方がバンドルされた「Veeam Data Platform Premium」があります。

また、「Veeam Data Platform Advanced」の小規模環境用エディションである、「Veeam Data Platform Essentials」も存在します。



各エディション・ツール・その他オプションについて、詳しくは「Veeam製品体系」ページをご覧ください。




ライセンス選択フローチャート

各ライセンスの違いについて解説してきましたが、では、ライセンスを選ぶ基準はなんでしょうか?

必要なライセンスを選ぶ際にポイントとなるのは、本ブログの最初にも記載した通り、、「 支払い方法 」、「 ライセンスの種類 (=バックアップ対象の環境) 」、「 エディション (=機能) 」です。

この3点とオプション製品を纏めると、以下のフローチャートのようになります 。


こちらのフローチャートは、「Veeam ライセンス見積依頼」ページ( https://www.dtc.co.jp/veeam_calc ) に掲載している図です。

こちらのページでは、保護したい環境や、購入したいライセンス形式などを順番に選択していくことで、どの製品の、どのライセンス形式が適しているかを把握し、そのままライセンスの見積もり依頼・相談をすることができます。

どのエディション・製品を選ぶか、実際に購入を検討する際は販売担当者に必要な機能やコストを相談してお決めください。



「Veeam ライセンス見積依頼」ページはこちら



デジタルテクノロジーは国内唯一の「Veeam Accredited Service Partner(VASP:設計サービスおよび実装サービスに関するメーカー認定パートナー)」に認定されています。

弊社はVeeam日本法人立ち上げ時から国内で販売しており、多くの実績を保有しています。製品説明から技術支援、設計構築、トレーニングやQ&A対応などの運用まで、一貫して幅広く支援いたします。

「この環境だとライセンスはどう選ぶのが適切だろう?」と迷った際はぜひご相談ください。その後のサポートなども充実しています。


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