
備品管理がRFIDで楽に!基本の仕組みと業務効率化の活用例
資産管理の効率化やコスト削減は、どの企業にとっても避けて通れない重要な課題です。
しかし、現実には、多くの現場で未だ手作業による資産管理がまだまだ主流で、人的なミスや作業負荷の大きさに頭を悩ませている管理者の方も多いのではないでしょうか?
そんな課題を解決する技術として注目されているのが、RFID(無線周波数)技術です。RFIDは、物品に取り付けたタグを電波で読み取り、瞬時に識別・管理ができる非接触識別技術です。人的ミスを削減し、業務効率を飛躍的に向上させるソリューションとして、今や様々な業界で活用が進んでいます。
そんなRFID技術を活用した製品として、当社では「安心キャビネット®」を取り扱っています。この製品は、重要な備品の貸出・返却・棚卸業務をDX化するセキュリティキャビネットとして、多くのお客様にご利用いただいております。
「安心キャビネット®」についてご紹介する際、お客様から「仕組みはどうなっているの?」「どんな技術が使われているの?」といったご質問をいただくことがよくあります。そこで本ブログでは、そのような疑問にお答えして、RFID技術の基本的な情報から、「安心キャビネット®」での活用方法まで、分かりやすくご説明していきます。
● 「企業の資産管理を効率化させたい方」
● 「RFIDによって普段の業務がどのように変わるのか知りたい方」
● 「手作業による記録ミスや棚卸作業の負担軽減を検討している方」
上記に当てはまる方、ぜひ最後までお読みください!
1. 「RFID」とは?
1-1. そもそも「RFID」とは?
そもそも冒頭から出てきている「RFID」とは、一体何なのでしょうか?
正式名称は「Radio Frequency Identification(レディオ・フリークエンシー・アイデンティフィケーション)」と記載し、日本語では「無線周波数識別」と訳されます。日本語訳の通り、無線の周波数を使用して、モノの情報を読み取る技術です。
RFIDは大きく分けて下記の2つの要素で成り立っています。
① ICチップとアンテナを内蔵した「タグ」
② 読み取り機である「アンテナ」
①の「タグ」にはIDなどの情報が記録されていて、②の「アンテナ」が電波を発してタグの情報を読み取るような仕組みです。
1-2. RFIDの特徴
RFIDの主な特徴としては、「見えない場所での読み取りが可能」「複数タグがあっても読み取りが可能」ということが挙げられます。
POINT | 01 | 見えなくても読み取りが可能! |
バーコードのようにスキャナを直接向ける必要がなく、電波が届く範囲であれば数センチから数メートル離れた位置からでもデータを読み取り可能です。
さらに、箱の中や棚の奥など、目に見えない場所にあるタグも識別できます。
POINT | 02 | 複数タグがあっても読み取りが可能! |
複数のタグを一括で読み取ることができるため、従来の手法では1つ1つ確認していた作業が、RFID技術により秒単位で数十、数百のアイテムを同時に識別可能です。
1-3. 「バーコード」「QRコード」との違い
RFIDの基本的な仕組みを踏まえて、次に「バーコード」「QRコード」など他の識別技術との違いを比較してみましょう。
主な違いは下記の表の通りとなっております。
- 基本仕様の違い
比較項目 | RFID | QRコード | バーコード |
読み取り方式 | 電波 | 光学 | 光学 |
同時読み取り | 可能 | 不可 | 不可 |
データ容量 | 大 (数KB~) |
中 (数KB程度) |
小 (数十文字程度) |
書き換え | 可能 (データ更新可能) |
不可 (印刷後変更不可) |
不可 (印刷後変更不可) |
- コスト・耐久性の違い
比較項目 | RFID | QRコード | バーコード |
単価 (1枚あたり) |
10~3,000円 |
0.1~1円 (印刷コスト) |
0.1~0.5円 (印刷コスト) |
耐久性 | 高 (種類による) |
中 (印刷面の劣化に弱い) |
低 (剥がれ・汚れに弱い) |
寿命 | 長い (種類による) |
比較的短い (印刷の状態に依存) |
短い (摩耗しやすい) |
- 【 RFID 】~ 「一括読み取り」と「高い耐久性」を活かした管理に最適! ~
RFIDは、「1-2.RFIDの特徴」でも記載した通り、「一括読み取り」や「遮蔽物がある際の読み取り」が可能なため、人的ミスを削減し、業務効率化を大幅に向上させたい場面で特に有効です。
また、タグの耐久性が高く、汚れや水に強いタイプがあり、工場や医療現場などの環境下での使用に適しているものもあります。更に、データの書き換えも可能で、物品の状態や利用状況を随時更新できる点も大きな利点です。

- 【 QRコード 】~ 消費者向けサービスやマーケティング分野で活躍! ~
QRコードは、「スマホで手軽に読み取れる」「比較的多めにデータが格納可能」 という特性を活かし、消費者向けサービスやマーケティング分野で広く使われています。
また、印刷コストが安く、既存のラベルやパッケージに容易に追加できるため、小ロットの商品管理やイベントチケットなど、低コストで運用したいケースにも適しています。ただし、汚れや破損に弱いため、長期的な使用には向きません。

- 【 バーコード 】~ 低コストで導入可能! ~
バーコードは、「低コストで簡単に運用できる」 という点が最大のメリットです。シンプルな数字や文字などを効率的に管理でき、スーパーやコンビニなどの小売業では欠かせない技術です。既存のPOSシステムや在庫管理システムとの互換性が高いため、大掛かりな設備投資をせずに導入できるのも利点です。
ただし、1つずつスキャンする必要があり、保存できるデータ容量も小さいため、複雑な管理や自動化には不向きです。

以上、「RFID」「QRコード」「バーコード」の特徴を比較してご紹介しました。
重要なのは、単純に特徴の優位さやコストなどにとらわれるのではなく、自社の運用目的や現場環境に応じて、最適な識別技術を選ぶことです。
もし、「どの技術を導入すべきか判断が難しい」とお感じの場合は、当社にお気軽にご相談ください!用途や課題に合わせて、最適なソリューションをご提案いたします。
2. 業界別でご紹介!「RFID」活用ケース

ここまではRFID技術の基本的な情報をご紹介しました。
RFIDの特徴は実は他にも、使用する電波の周波数帯により通信可能距離や特徴が大きく変わるという面もあります。各周波数帯の持つ特徴を活かし、業界や用途に応じて最適なものが選択されています。
次に、RFIDが実際にどのような業界で導入され、どのような使い分けがなされているのか活用ケースをご紹介していきます。
2-1. アパレル業界
アパレル業界では、日本や海外の複数の大手ブランドが在庫管理システムなどでRFIDを活用しています。商品1点1点に付けられたタグにより、リアルタイムでの在庫管理や無人レジが可能になりました。
■ 従来のバーコードシステムと比較して、棚卸時間を約90%短縮
■ 欠品率を約30%削減
など、業務効率の向上に成功したブランドもあります。
2-2. 医療系
医療現場において、海外では医療器具の管理にRFIDの活用が進められています。医療機器に一意の識別子を付け、管理・追跡できるように義務づける、UDI(Unique Device Identification:機器固有識別子)規制という国際的な制度により、アメリカや欧州などでは手術器具に識別子を付けることが義務付けられています。日本でも一部では始まっており、今後さらに進められる見込みです。
某病院では、RFIDタグを医療器具に貼付することで、
■ 人の手を介さずに機器の使用状況をリアルタイムで把握できるようになった
■ 機器の台数を削減できるようになった
など、院内の効率的な利活用に役立たせています。
また、患者のリストバンドにRFIDが組み込まれているものもあり、確実な本人確認と薬剤投与管理、投与ミス防止をはじめ、患者の睡眠を妨げることなく確認作業が可能になるなど、医療現場の業務改善に寄与しています。
2-3. 物流系
物流業界では、多くの大手物流会社でRFIDを活用した荷物追跡システムを採用しています。入出庫や検収などに複数のRFIDを一括同時読み取りし、作業時間短縮や目視作業による作業ミスの低減を図っています。
具体的な事例によると、
■ 棚卸作業時間が従来の7分の1に短縮した
■ 作業が簡単になったことで作業習熟の期間を2週間から3日まで減らすことができた
などの成果が出ている企業もあります。
さらに、耐冷型のRFIDが開発されたことで、冷凍倉庫などの過酷な環境下においても、食品物流における品質管理への活用が広がっています。
3. 「安心キャビネット®」でRFIDはどのように使われている?
アパレル業界や医療業界など、様々な分野でRFID技術が取り入れられていることが分かりました。では、このような技術を「企業の安全な資産管理」に特化して活用するとどうなるでしょうか。
本ブログ冒頭でご紹介した、当社で取り扱う「安心キャビネット®」は、企業の重要な備品の貸出・返却・棚卸業務をDX化するセキュリティキャビネットですが、実際にRFIDがどのように組み込まれているのか、どのように役立っているのかご説明していきます。
3-1. 安心キャビネット®でのRFIDはどのように組み込まれている?
キャビネットの扉を開けると、内部には図のようにアンテナが取り付けられています。
RFIDタグが貼付された備品であれば、このアンテナでタグを読み取ることができます。貸し借りの履歴はキャビネットのモニターで確認できます。
RFIDタグは、タイプはキーホルダータイプ、シールタイプなど、様々なタイプがあります。
左図のように保管したいものにRFIDタグを貼付し、キャビネットへ収納します。

3-2. 安心キャビネット®がもたらす成果
POINT | 01 | 業務効率が上がる! |
まず、従来の手作業による記録が不要になります。
自動記録機能により、ICカードなどをかざすだけで備品の貸出・返却が完了するので、従来のように台帳への手書きや、システムへの手入力といった煩雑な作業から解放されます。
また、従来必要だったダブルチェック作業も不要となり、大幅な工数削減を実現します。
POINT | 02 | 人的ミスの削減につながる! |
モノの貸出・返却するだけで履歴を自動で記録するので、紙の台帳やExcelで管理していると発生しがちな、入力漏れや記録ミスがなくなります。
さらに、「あの備品はどこにある?」といったモノ探しの時間も大幅に削減。リアルタイムで「誰が」「いつ」「何を」借りているかが一目で把握できるため、無駄な探索時間がなくなります。
月次・年次の棚卸作業も従来数時間~半日程度かかっていた作業があっという間に完了するようになり、管理者の負担を大幅に軽減することができます。
POINT | 03 | コンプライアンス対策にも! |
従来のような紙やExcel管理では書類の分散・検索が困難・改ざんのリスクがあるため、監査などの対応時に膨大な時間と労力が必要でした。
しかし、安心キャビネット®の導入で、全てのモノの貸し借りが自動的にデジタル記録されるので、内部監査や外部監査で求められる証跡を迅速・正確に提出可能になります。
キャビネットの扉ごとに、利用者を制限できる権限設定もあるため、機密書類などの不正利用や情報漏洩のリスクも未然に防止することができます。
特に、厳格に管理の証跡保存が法的に義務付けられているような上場企業や医療・金融業界では、「やらざるを得ない」管理業務を確実かつ効率的に行うことができます。
4. まとめ
本ブログでは、RFID技術の基礎知識から実際の活用事例、そして「安心キャビネット®」での具体的な活用方法まで幅広くご紹介してきました。
RFID技術は様々な業界・分野で活用されており、企業の課題や運用環境に応じて最適な形で導入することで、人的ミスを削減できたり、リアルタイムで資産のアクセシビリティを把握できるなど、業務の大幅な効率化を実現することができます。
また、年々RFIDのコストは低下し続けており、さらに使いやすくなっていくことや、今後収集したデータの活用や、クラウドとの連携などで、より高度な活用が期待されています。
「自社にはどのような効果があるのか具体的に知りたい」
「RFIDの導入にあたってどのような検討が必要か相談したい」
「実際に安心キャビネット®を体験してみたい」
といったご要望をお持ちの方は、ぜひお気軽にお声がけください。