
もう持っているかも⁉ Veeam ONEの運用監視で障害の予兆やバックアップ異常を見逃さない
バックアップは、万が一の際の備えとして日々取得されているものです。しかし近年、その備え自体が攻撃の標的になっています。ランサムウェア攻撃でバックアップが狙われることは、既にご存じの方も多いと思いますが、下記のようなデータがあるのをご存じでしょうか。
Veeam Softwareが世界1,300社を対象に実施した調査によると、ランサムウェア攻撃を受けた組織のうち、「89%でバックアップ環境が標的」にされ、そのうち「66%でバックアップに不正アクセス」がありました。さらにこの66%のうち「34%でリポジトリが変更・削除されていた」ことも明らかになっています。
復元手段を先に奪い、組織の逃げ道を断ってから本命の攻撃に踏み切る手法が近年の攻撃の定石になっています。
世界1,300社を対象に実施した調査
89%でバックアップ環境が標的
⇩
この89%のうち
66%でバックアップに不正アクセス
⇩
さらにこの66%のうち
34%でリポジトリが変更・削除
こうした状況をふまえると、バックアップを取得することに加えて、もう一歩踏み込んだ運用が必要になります。そのためには、復元が必要になってから問題に気付いて手遅れになってしまわないよう、「バックアップが正常であることを日々確認できる体制を整える」ことが欠かせません。
このブログでは、日々の運用の中でバックアップの異常に気付きにくい理由を整理した上で、体制をどう整えていけばよいのか、具体的な方法をご紹介します。
1. 日々の運用における課題
序章で紹介したデータのように、バックアップは既にランサムウェア攻撃の主要な標的となっています。
では、なぜバックアップが狙われても気付きにくいのでしょうか。それは、日々の運用そのものに見落としが生まれやすい構造があるためです。
この章では、日々の運用の中でよく見られる3つの課題をご紹介していきます。
1-1.(課題1)ランサムウェア攻撃の予兆に気付けない
バックアップジョブが失敗した際に通知を受け取る仕組みは、多くのバックアップ製品に備わっていますが、その通知が伝えてくれるのは「成功したか、失敗したか」という結果のみです。
バックアップジョブが「成功」というステータスで終わっていても、その裏でバックアップデータの内容に異常が起きている可能性までは検知できません。
ただ、その変化に気付くにはジョブごとの実行履歴やログを1件ずつ確認していく必要がありますが、こうした作業は障害が起きたときに行うもので、日常的に続けている運用をしている方はあまりいないのではないでしょうか。
また、仮想マシンやサーバーの数が増えれば増えるほど確認対象も増えていくため、予兆の段階で気付くのはより難しくなります。
例えば、以下のような変化は、バックアップジョブの成功/失敗だけでは見えてきません。
・仮想環境のリソース(CPU・メモリ・ディスクI/O)の負荷が上がる・増分バックアップのサイズが、通常のペースから急に外れる
・バックアップジョブの実行時間が、データ量の変化に見合わない形で伸び続けている
このような数値の変化には、ランサムウェアがバックアップ環境に影響を及ぼし始めた初期段階で現れるものもありますが、気付いたときにはすでに復元できない状態に陥っていた、というケースも少なくありません。
1-2.(課題2)バックアップ環境全体が健全かを、継続的に確認できていない
1-1では、個々のバックアップジョブの中身に関する話でしたが、併せて確認したいのが、バックアップ環境が推奨される構成で動いているかという点です。
暗号化やアクセス制御などのセキュリティ設定は、構築時に設定して以降、改めて見直す機会は少ないのではないでしょうか。
推奨構成は製品のバージョンアップや脅威の動向にあわせて更新されるため、構築時点では適切だった設定が、時間の経過とともに推奨から外れていくこともあります。
問題は、これらを人手で確認しようとすると相応の時間がかかることです。日々の運用や障害対応など他にも対応すべき業務がある中で、確認作業だけに時間を確保するのは難しく、後回しになりがちです。
1-3.(課題3)ストレージ容量の見通しが立てられない
バックアップ環境を設計する際は、多くの場合データの増加量を予測してストレージを確保します。しかし、実際に運用を始めると、業務データの特性や想定外のデータ増加により、当初の見込みを超えるケースが発生します。
増加ペースを感覚でしか把握できていないと、バックアップが停止して初めて容量不足に気付くという事態も起こりえます。バックアップが取得できない期間が発生すると、その間に障害やランサムウェア被害が発生した場合、復旧できないリスクを抱えることになります。
また、増設や予算申請にも根拠となるデータが必要です。「なんとなく足りなくなりそう」ではなく、具体的な数値に基づいた計画を立てられる体制が求められます。
2. Veeam ONEの活用
こうした運用の課題に対して、どのようなアプローチが有効なのでしょうか。
バックアップの可視化や、データの健全性を把握することに課題を感じている方に知っていただきたいのが、「Veeam ONE」です。バックアップを日々運用されている方であれば、導入することで運用の負担軽減が見込めます。
中でもVeeam Data Platform Essentialsをご利用中の方は、追加のライセンス費用なくVeeam ONEを利用できます。
ここからはVeeam ONEの概要と、日々の運用課題を解決する機能を3つに絞ってご紹介していきます。
▼ \既にVeeamをご導入いただいている方へ/
ご自身のVeeamライセンスの詳細を確認したい方は下記ページをご確認ください!
2-1.Veeam ONEとは?
Veeam ONEは、Windows OS上にインストールして使用するアプリケーションで、Veeam環境における「監視・分析・レポート」に特化した管理ツールです。
Veeam Backup& Replication(以下 VBR)がバックアップの実行エンジンであるのに対し、Veeam ONEはその「バックアップ環境全体を可視化・監視するための目」として機能します。
340種以上のアラームと150種以上のプリセットレポートを備えており、バックアップの健全性・Veeamのセキュリティ状態・バックアップリポジトリ容量の将来予測など、日々の運用で把握すべき情報を自動で収集・提示します。
2-1-2.システム要件
Veeam ONE v13のシステム要件はこちらです。
項目 | 最小要件 |
CPU | x86-64、4コア以上 |
メモリ | 8 GB RAM |
ディスク | 50 GB以上(製品動作用)、DB領域が別途必要 |
OS | Windows Server 2019以降 |
2-2.インテリジェントなアラーム機能
——「気付けなかった予兆」を自動検知
2-2-2.検知できる異常の例
Veeam ONEには340種以上のプリセットアラームが用意されています。実際の運用でよく目にするものを2つご紹介します。
また、アラームの内容はメールでも同じ内容を受信可能ですので、毎日コンソールに張り付く必要もありません。
01 | Suspicious incremental backup size |
ランサムウェアがバックアップ対象データに手を加え始めた初期段階で検知できる可能性を上げてくれるアラームです。毎日ログを目視確認していても見落としがちなバックアップサイズの変化を、Veeam ONEが自動で検知・可視化してくれます。
【検知内容】
増分バックアップのサイズが閾値を外れた(ランサムウェアの兆候の可能性)【アラーム概要】
“バックアップ対象”の増分バックアップサイズ(XX%)が閾値(YY%)を下回っています。ランサムウェア活動の可能性があります。各種レポートで原因を調査し、ウイルススキャンを実施してください。
- VBRコンソール
02 | Backup server security & compliance state |
セキュリティ設定のベストプラクティスからのズレを継続的に自動チェックしてくれるアラームで、課題2で挙げた「設定が時間とともに推奨から外れていく」問題への対応をサポートしてくれます。
【検知内容】
Veeamのセキュリティ設定がベストプラクティスに準拠していない(MFA未設定、SMBv3署名未設定など)
【アラーム概要】
MFA未設定・SSL/TLS旧バージョン無効化未対応・SMBv3署名未設定など15項目が未実装の状態です。設定を見直してください。公式ドキュメントのリンクが添付されます。
- VBRコンソール
2-3.キャパシティプランニング
——「あと何日で容量が枯渇するか」を可視化
Veeam ONEのキャパシティプランニング機能は、過去のバックアップ実績データから容量の推移を算出し、現在のペースで使い続けた場合にあと何日で容量が枯渇するかを予測します。その情報をレポート化してグラフィカルに表示することができます。
「最小残り日数:XXX日」のように具体的な数値が出るため、「現在のペースであれば〇日後に90%に到達する見込みのため、〇GB分の増設が必要です」 という根拠を持った増設計画が可能です。
- 実際のレポート画面
Top 5 Repositories by Days Left:枯渇まで最も日数が少ないリポジトリTOP5
使用量のトレンドグラフ:Capacity・Used Space・Trend・Limitの4軸で推移を可視化
2-4.レポート機能——「見える化」の記録を資産に変える
2-2.のアラームで異常を検知し、2-3.のキャパシティプランニングで将来予測を立てる。その活動を継続することで、バックアップ環境の健全性に関するデータが日々蓄積されていきます。Veeam ONEのレポート機能であれば、その蓄積されたデータを整理・出力することができます。
ストレージの増設や予算申請の場面でも、このレポートを根拠として示すことができるので、「なんとなく足りなくなりそう」といった感覚的な説明ではなく、実際の推移データを元に必要性を伝えられるようになります。
また、150種以上のプリセットレポートが用意されており、以下のような用途に活用できます。
用途 | 活用シーン |
情報システム部門の定期点検 | バックアップジョブの成否・保護状況の定期確認 |
情報セキュリティ監査 | セキュリティ設定の準拠状況の証跡として |
ISMS運用 | バックアップ管理のエビデンス提出 |
経営層への報告 | グラフ・数値での状況報告 |
以上の3つの機能を組み合わせることで、Veeam ONEは「バックアップを取得するだけ」の運用から、「バックアップの健全性を継続的に監視・証明できる」運用への転換をお手伝いすることができます。
3.まとめ
Veeam ONEを使えば、予兆の段階で異常に気付けるようになり、万が一何かが起きた後も、何が起きたのかを振り返ることができます。そしてバックアップを取得しているだけの状態から、その状態を継続的に見て、確かめられる状態へ変えていくことができます。
特に現在Veeam Data Platform Essentialsをご利用中のお客様であれば、追加のライセンス費用なしでVeeam ONEをご利用いただけます。まだご利用いただいていない場合は、せっかくお持ちのライセンスを十分に活用できていないかもしれません。
Veeam ONEの活用方法や設定方法、サーバーの追加構築、Veeam環境全体の見直しについて検討されたい方は、是非お気軽に当社までご相談ください。
(出展情報)
※Veeam Software「2025年版:ランサムウェア最新トレンドとプロアクティブな対策」
https://www.veeam.com/blog/jp/ransomware-trends-report-2025.html
- Veeam関連のお役立ち資料
バックアップの基本「3-2-1ルール」をベースに、Veeam・Dell Technologies PowerProtect DD・Wasabi Hot Cloud Storageの3製品を組み合わせた構成と、各製品の役割・強みをご紹介しています。バックアップ環境の見直しや対策強化を検討されている方はぜひご活用ください。
- D-Labお知らせ
2026年4月、デジタルテクノロジーでは、お客様へお届けするサービスの品質をさらに高めるため、検証環境「D-Lab」を立ち上げました。
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